
アンコールワット
Angkor
12世紀にクメール王朝のスーリヤヴァルマン2世が建造した世界最大の宗教建築。外濠の周囲1,300m以上に及ぶ広大な敷地に精緻なアプサラ(天女)のレリーフが並び、後に仏教寺院へ転用された。アンコールトム・タ・プロームを含む200以上の遺跡からなるアンコール遺跡群として1992年にユネスコ世界遺産へ登録。夜明けに蓮池へ映る五つの塔のシルエットは世界で最も有名な絶景のひとつとして知られる。
ひと目でわかる、このスポットの性格
夜明けの蓮池に映る五塔のシルエットは一生に一度は見るべき世界最高峰の絶景。物価の安いカンボジアで200以上の遺跡を巡れるコストパフォーマンスは他の追随を許さない。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省 海外安全ホームページ カンボジア・スポット情報(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcspotinfo_2025C058.html) / 取得日: 2026-08-04(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
アンコールワットが位置するシェムリアップ州は、外務省の海外安全情報においてシェムリアップ地区の危険レベル1(十分注意してください)とされています。カンボジアとタイの国境地帯(ポイペト周辺)はレベル3(渡航中止勧告)が発令されていますが、シェムリアップおよびアンコール遺跡地区はその対象外です。渡航前に外務省の最新の海外安全情報を必ずご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報発出中(地域により異なる。最高レベルを代表値として採用。詳細は出典参照)(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T075.html)/外務省発表日: 2026-07-02(確認日: 2026-08-04)
7日間の旅の組み立て
アンコールワットだけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
シェムリアップ
アンコールワットまでトゥクトゥクで15〜20分という最良の立地。多数のホテル・レストラン・旅行会社が集中し、遺跡観光・ナイトマーケット・スパなど旅のすべてをここから手配できる唯一の拠点都市。
モデルプラン(7日間)
シェムリアップを拠点とした7日間のカンボジア周遊が成立する。1日目:シェムリアップ着・ナイトマーケット散策で体を慣らす→2日目:アンコールワット日の出+小回りルート(バイヨン・タ・プローム)→3日目:大回りルート(バンテアイ・スレイ・プラサット・クラヴァン・バンテアイ・サムレ)→4日目:ベンメリア遺跡へ日帰り(ジャングルに眠る秘境遺跡、市内から約75km)→5日目:トンレサップ湖クルーズ・水上集落体験でカンボジアの生活文化に触れる→6日目:プノンペンへ移動(飛行機約45分または長距離バス約6時間)・王宮・国立博物館・キリング・フィールドを観光→7日目:プノンペン発。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 11月・12月・1月・2月・3月(11月〜3月の乾季が観光に最適。特に12月〜2月は気温が比較的穏やかで雨が少なく日の出鑑賞にも好条件。4〜5月は最高気温が36°C前後に達する最暑期。6〜10月の雨季はスコールが多くなるが緑が美しく訪問者が少ないため、遺跡をゆっくり楽しみたい人には狙い目となる。)
持ち物チェックリスト
肩と膝を覆える服装またはサロン
遺跡は宗教的聖地のため肌の露出が多い服装での入場が禁止されている。ノースリーブ・短パン・短スカートは不可。薄手の長袖シャツ+長ズボン、または現地の市場でも安価に購入できるサロン(腰巻き布)を持参すると安心。
日焼け止め・帽子・サングラス
遺跡内は日陰が少なく、熱帯の強い日差しにさらされる時間が長い。乾季(11〜3月)でも気温は高く日焼けしやすい。熱中症対策としても必須。
飲料水・経口補水液
広大な遺跡内の歩行量は想像以上に多く、高温多湿の環境での水分補給が欠かせない。遺跡内にも売店はあるが値段が高めのため、市内で購入して持参するのがおすすめ。
虫よけスプレー
雨季(5〜10月)を中心に蚊が多く活動する。日の出鑑賞時の早朝や日没鑑賞時の夕方は特に蚊が多いため、虫よけ対策を忘れずに。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
05:30
蓮池で日の出観賞
アンコールワット正面参道左手の蓮池前で夜明けを待つ。水面に映る五つの塔のシルエットが徐々に浮かび上がる光景は世界的な絶景。日の出30〜40分前には蓮池前でスタンバイしたい。
- 2
07:30
アンコールワット本堂を探索
第一〜第三回廊を歩き、「乳海攪拌」をはじめとする精緻なバス・レリーフとアプサラの彫刻を鑑賞。中央祠堂(第三回廊)への入場は人数制限があるため、朝の早い時間帯が混雑も少なくおすすめ。
- 3
10:00
アンコールトム・バイヨン寺院
アンコールワットから北へ約2km、南大門をくぐり都城跡を歩く。中心のバイヨン寺院には49の祠堂に200以上の四面仏塔が並び、柔和な「クメールの微笑み」が圧巻。象のテラスやライ王のテラスも見ごたえがある。
- 4
12:30
市内で昼食・休憩
最も暑い時間帯はいったん市内に戻り、エアコンの効いたレストランでクメール料理や麺料理をゆっくりとる。水分・塩分をしっかり補給して午後の行動に備える。
- 5
14:30
タ・プロームを見学
巨大なガジュマルの根が遺跡を飲み込むように伸びる幻想的な光景で知られる寺院。映画「トゥームレイダー」のロケ地としても有名。午後は朝より観光客が分散し、写真も撮りやすい。
- 6
17:30
プノン・バケンで夕日鑑賞
丘の上に建つ9〜10世紀の遺跡から、周囲の遺跡群に沈む夕日を一望できる絶景ポイント。入場制限がある日もあるため、早めに上山すること。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からシェムリアップへの直行便はなく、バンコク・シンガポール・ホーチミン・クアラルンプールなどを経由する乗継便が主なルート。東京(成田/羽田)からバンコク経由の場合、フライト合計は約7〜8時間で、トランジット待ちを含めた総移動時間は概ね11〜16時間程度が目安。就航路線により大きく異なるため、予約時に確認を。
現地での行き方
シェムリアップ・アンコール国際空港(2023年10月開港、市内中心部から約45km)からはタクシー(目安$20〜25、約3,000〜3,900円)またはシャトルバス(目安$8〜10、約1,200〜1,500円)で市内へ。市内中心部からアンコールワットまではトゥクトゥクで約15〜20分(往復$5〜10程度が目安)、配車アプリGrabやPassAppでも同程度の料金で手配できる。
入場料の目安
37 USD(目安 約5,700円) / 事前予約不要
アンコールパス(Angkor Pass)は1日券$37(約5,700円)、3日券$62(10日間有効・約9,500円)、7日券$72(1ヶ月有効・約11,100円)。USD決済のみ対応。現地入場窓口・キオスク端末のほか、公式サイトでの事前オンライン購入も可能。購入時に顔写真の撮影がある。料金は改定される場合があるため、訪問前に公式サイトでご確認ください。
最終確認日: 2026-08-04
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
シャトルバス(空港〜市内)
シェムリアップ・アンコール国際空港の到着ロビー出口付近にシャトルバスの乗り場がある。事前にオンラインまたはホテル経由で予約しておくとスムーズ。市内の主要ホテル周辺まで送ってもらえるルートもある。
運賃目安: $8〜10(約1,200〜1,500円)
路線によって停車場所が異なるため、乗り場と自分のホテルへの経路を事前に確認しておくこと。
トゥクトゥク(市内〜各遺跡間)
ホテル前や市内の主要ポイントに常駐しているトゥクトゥクに声をかけるか、GrabまたはPassAppアプリで手配する。乗車前に必ず目的地と料金を確認・合意すること。複数遺跡を巡る場合は半日・1日チャーターがコスパ◎。
運賃目安: 市内〜アンコールワット 往復$5〜10程度(約750〜1,500円)。1日チャーター$15〜30程度
チャーター時は遺跡間の移動中にドライバーが待機してくれるため、広大な遺跡群を効率よく回ることができる。
タクシー
GrabアプリまたはPassApp(カンボジア発の配車アプリ)でオンライン手配が確実。ホテルのフロントに依頼して手配してもらうことも可能。空港のタクシー乗り場では交渉式での乗車も可。
運賃目安: 市内〜アンコールワット $5〜8(約750〜1,200円)。空港〜市内中心部 $20〜25(約3,000〜3,900円)
遺跡公園内部はGrabの対応エリア外になる場合がある。ドライバーに待機を依頼するか、帰り時間を伝えて迎えに来てもらう段取りを乗車前に確認しておくとよい。
現地での注意事項
スリ・ひったくりへの注意
シェムリアップ市内の市場や観光スポット周辺ではスリ・ひったくりの被害報告がある。バッグは体の前側に持ち、スマートフォンを道路沿いで無防備に使わない。貴重品は複数か所に分散して携帯することを心がける。
遺跡内の服装規定を厳守
アンコールワットを含む遺跡群はヒンドゥー・仏教の宗教的聖地であり、露出が多い服装での入場は禁止されている。ノースリーブ・短パン・短スカートはゲートで入場を断られることがある。事前に長袖・長ズボンまたはサロンを準備しておくこと。
熱中症対策を怠らない
年間を通じて気温が高く、乾季でも35°Cを超える日がある。広大な遺跡内では長時間日光に当たりながら歩くことになるため、帽子・日焼け止め・こまめな水分補給が必須。正午〜14時台は日陰や屋内で休憩し、無理なく行動すること。
トゥクトゥクの料金は乗車前に確認
流しのトゥクトゥクは乗車前に目的地と料金を必ず確認・合意してから乗ること。GrabやPassAppなどの配車アプリを使えば料金が乗車前に明示され、交渉なしで乗れるため安心。
整備エリア外に踏み込まない
シェムリアップ周辺の農村部や未整備エリアには、内戦時代に埋められた地雷が残存している地域がある。ドクロマークの立入禁止看板がある場所には絶対に近づかず、整備された観光道路・遊歩道のみを通行すること。
周辺スポット
アンコールトム(バイヨン寺院)
アンコールワットから北へ約2km
12世紀末にジャヤヴァルマン7世が建設したクメール帝国の都城跡。中心のバイヨン寺院に立ち並ぶ49の祠堂と200以上の四面仏塔、「クメールの微笑み」と称される穏やかな顔の彫刻が圧巻。象のテラスや蛇の欄干も見ごたえがある。
行き方: アンコールワットからトゥクトゥクまたは徒歩で約5〜15分。アンコールパス(共通入場券)で入場できる。
運賃目安: アンコールパスに含まれる(追加料金なし)。トゥクトゥク移動$1〜2程度
タ・プローム
アンコールワットから東へ約2km
巨大なガジュマルの根が遺跡を飲み込むように伸びる幻想的な光景が最大の見どころ。12世紀末建造の寺院で、映画「トゥームレイダー」のロケ地としても知られる。自然と遺跡が融合した独特の雰囲気が人気。
行き方: アンコールワットからトゥクトゥクで約10〜15分。アンコールパスで入場可能。
運賃目安: アンコールパスに含まれる(追加料金なし)。トゥクトゥク移動$2〜3程度
バンテアイ・スレイ
シェムリアップ市内から北東へ約25km
10世紀後半に建てられた小規模ながら極めて繊細な赤砂岩の彫刻で世界的に知られる遺跡。「東洋のモナリザ」と称されるデヴァター像をはじめ、遺跡全体を覆う精巧な装飾が圧巻。
行き方: シェムリアップ市内からトゥクトゥク(半日チャーターに組み込むのが一般的)で約45〜60分。
運賃目安: アンコールパスに含まれる(追加料金なし)。半日チャータートゥクトゥク$20〜30程度
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- 米ドル(現地補助通貨としてカンボジア・リエルも流通)(USD)
- 為替目安
- 1USD ≈ 154円
- 物価水準
- 低め(東南アジア屈指のコスパ)
観光エリアではUSDが事実上の主要通貨として広く流通し、リエルはおつりで返ってくることが多い。1USD≈154円(2026年8月目安。実際の為替レートは渡航前に確認を)
宿泊費の目安
- 予算宿
- 1,500〜4,000円/泊
- 中級ホテル
- 6,000〜15,000円/泊
シェムリアップは東南アジアでも宿泊費が安い都市のひとつ。乾季ピーク(12〜1月)は値上がりしやすいため早めの予約が望ましい。プールつきの中級ホテルでも1万円前後から選べる。
ライドシェア
○ 利用可GrabとカンボジアローカルのPassAppがシェムリアップ市内で広く対応。遺跡公園内部はアプリの対応エリア外になる場合があるため、ドライバーへの待機依頼または迎え時間の事前指定を忘れずに。
インフラ
シェムリアップ市内は観光インフラが整備されておりATM・Wi-Fi・ホテル設備も充実している。遺跡内は売店・トイレあり。2023年開港の新空港は市内から約45kmと遠く移動時間が従来より長くなるため、送迎の事前手配を推奨。
言語の通用度
観光エリア(遺跡周辺・市内ホテル・レストラン・土産物店)では英語対応できるスタッフが多い。ガイドも英語を標準とするため、基本的なコミュニケーションに大きな支障はない。
日本語ガイドを提供する現地旅行会社が複数あり、日本語対応ツアーを事前予約することが可能。一般の観光地やレストランでは日本語はほぼ通じないため、翻訳アプリを活用するとよい。
向いている旅行者レベル
初心者〜中級者向け
年間訪問者数
年間約150〜200万人(2024年推計。新型コロナ後の回復傾向にあり増加中)
混雑状況
- 平日
- 乾季(11〜3月)の平日でも日の出前後(5:30〜7:00)の蓮池前は混雑。昼間(10〜14時)は暑さと人出のピーク。
- 休日
- 平日・週末の差は小さく、団体バスツアーが集中する午前10〜12時が特に混みやすい。
- ピーク時期
- 12月〜2月の乾季最盛期が最繁忙期。日の出観賞スポットは早朝でも大勢が集まるため、一番乗りを狙うなら5時頃には現地入りしたい。
更新ログ
- 2026-08-04初版公開