
マテーラ(サッシ地区)
The Sassi and the Park of the Rupestrian Churches of Matera
バジリカータ州の荒野に広がる洞窟都市。7000年前から人が暮らしてきた岩窟住居群「サッシ」と150以上の岩窟教会が渓谷の斜面に連なり、1993年にユネスコ世界遺産に登録された。007映画「ノー・タイム・トゥ・ダイ」の撮影地として再注目され、白と黄土色の洞窟群が「時間が止まった南イタリアの秘境」として世界から訪問者を集める。
ひと目でわかる、このスポットの性格
7,000年の居住史を持つ洞窟都市の景観は圧倒的で、サッシ散策は無料。日本語ガイドが少ない南イタリアの「本物の秘境」として費用対効果が高く、バーリ拠点の南イタリア周遊に1〜2日加えるだけで旅の深みが格段に増す。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル0:危険情報の発出なし(外務省が危険情報を発出していない地域)
出典: 外務省 海外安全ホームページ イタリア(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_153.html) / 取得日: 2026-08-12(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
外務省はイタリア全土に危険情報(レベル1〜4)を発出しておらず、マテーラが位置するバジリカータ州も公式にはレベル0。バジリカータ州は南イタリアの中でも比較的治安が安定した地域として知られており、マテーラ市内の主要観光エリアにおける重大犯罪の報告は少ない。ただし、観光客が集まる時期はスリや置き引きへの注意が必要。渡航前に外務省の海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報の発出なし/外務省発表日: 2026-01-19(確認日: 2026-08-12)
7日間の旅の組み立て
マテーラ(サッシ地区)だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
バーリ(Bari)
マテーラまでFAL線で約1時間45分。国際空港(バーリ・カーロ・アンバラーノ空港)と高速鉄道が発着するプーリア州最大都市で、アルベロベッロ・ポリニャーノ・ア・マーレへの日帰り拠点としても最適。宿泊施設の選択肢も豊富。
モデルプラン(7日間)
バーリ起点の反時計回り7日間。1日目バーリ着・旧市街と漁港地区散策→2日目ポリニャーノ・ア・マーレ(断崖海岸・洞窟レストラン)→3日目アルベロベッロ(トゥルッリ宿泊推奨)→4〜5日目マテーラ(洞窟グロッタホテル泊・サッシ丸一日探索)→6日目オストゥーニ(白い街)→7日目レッチェ(南のフィレンツェ・バロック建築)経由でバーリ発。マテーラとアルベロベッロの2つの世界遺産を核に、南イタリアの多彩な表情を凝縮できるルート。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 4月・5月・6月・9月・10月(4〜6月と9〜10月が気候・混雑ともに最もバランスが取れている。7〜8月は最高気温30℃を超え、石灰岩の白壁からの照り返しで体感温度がさらに上がり、欧州の夏季バカンス客とも重なり混雑が激しくなる。11〜3月は気温が低く雨が多いものの、静寂の洞窟都市をゆったり歩ける穴場のシーズン。)
持ち物チェックリスト
グリップ力のある歩きやすい靴
サッシ地区は急勾配の石畳と不規則な段差が続く迷路状の地形。雨上がりは特に滑りやすくなるため、底のしっかりしたスニーカーやトレッキングシューズが適している。
日焼け止め・帽子・水筒
夏は最高気温30℃を超え、石灰岩の白壁からの照り返しで体感温度がさらに上昇する。日陰の少ない場所も多く、こまめな水分補給と紫外線対策が体力温存の鍵になる。
折りたたみ傘・軽量レインウェア
10〜3月は降水量が多く、石畳の急坂では傘が風にあおられやすい。コンパクトな折りたたみ傘とウインドブレーカー兼用のレインウェアがあると便利。
軽めの上着
内陸性の気候で朝晩の気温差が大きく、洞窟教会・博物館の内部は夏でもひんやりすることがある。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
09:00
サッソ・カヴェオーソ地区とムルジア・ティモーネ展望台
サッシ地区の南側に広がる古い洞窟住居群を散策。グラヴィーナ渓谷の対岸に点在する岩窟教会群と、マテーラ全景を望む絶景スポットとして最も写真映えする時間帯。
- 2
10:30
マドンナ・デ・イドゥリス岩窟教会
岩の突端に建つサッシ地区を代表する岩窟教会。内部にはビザンチン様式のフレスコ画が残り、洞窟の岩肌とともに独特の空間を作り出している。
- 3
11:30
チヴィタ(旧市街核心部)とドゥオモ
サッシ地区の丘の頂に建つ13世紀のロマネスク様式大聖堂。チヴィタの丘はサッシ発祥の地で、眼下にサッソ・カヴェオーソとサッソ・バリサーノの双方を一望できる。
- 4
13:00
旧市街のトラットリアでランチ
バジリカータ州の郷土料理を味わう。カリカリに揚げた赤唐辛子「ペペローニ・クルスキ」、豚肉のラグーがけパスタ、現地産のプリミティーヴォ赤ワインが定番。
- 5
14:30
カーサ・グロッタ(洞窟住居博物館)
1950年代まで実際に人が暮らしていたサッシの洞窟住居を博物館として公開。当時の家具・農具・寝室が再現され、貧困の歴史と独特の生活様式を体感できる。
- 6
16:30
サッシ全景の夕景撮影
夕日が石灰岩の洞窟群を黄金色に染める時間帯。旧市街の展望テラスやグラヴィーナ渓谷側の展望スポットから、マテーラの象徴的な景観を撮影する絶好のタイミング。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からの直行便はなく、ローマ(フィウミチーノ)・ミラノ(マルペンサ)・フランクフルト・イスタンブールなどで1〜2回乗り継ぎ、バーリ空港(カーロ・アンバラーノ国際空港)を目指すのが一般的なルート。バーリまでのトランジット待ちを含む総所要時間は概ね20〜24時間程度。バーリ着後は私鉄アプロ・ルカーネ(FAL)線でアルタムーラ駅乗り換え、マテーラ中央駅まで約1時間45分。日本出発から扉対扉で24〜26時間程度が目安(就航路線・待ち時間により変動するため予約時にご確認ください)。
現地での行き方
バーリ中央駅から私鉄アプロ・ルカーネ(FAL)線に乗車し、アルタムーラ駅で乗り換えてマテーラ中央駅まで約1時間45分。運賃は片道€6程度(約980円)。月〜土曜運行で日曜・祝日は列車が運休しFAL運行の代替バスに切り替わるため、移動日の時刻表確認が必須。マテーラ中央駅からサッシ地区へはミッコリス社のシャトルバス(約€1)またはタクシーを利用。徒歩でも15〜20分程度だが坂道があるため荷物が少ない場合に限る。
入場料の目安
0 EUR(目安 約0円) / 事前予約不要
サッシ地区(サッソ・カヴェオーソ・サッソ・バリサーノ両地区)の路地・外観散策は無料。洞窟教会や博物館は個別有料で、マドンナ・デ・イドゥリス岩窟教会などは1箇所€3〜5程度(約490〜820円)が目安。6施設をまとめて回れるコンビネーションパスが€15〜20(約2,500〜3,300円)前後で市内各所で購入できる。料金は改定される場合があるため、訪問前に現地観光案内所または公式サイトでご確認ください。
最終確認日: 2026-08-12
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
私鉄FAL線(バーリ〜マテーラ)
バーリ中央駅のFAL(アプロ・ルカーネ)乗り場から乗車し、アルタムーラ駅で乗り換えてマテーラ中央駅まで約1時間45分。切符はFAL駅窓口・券売機で購入し、乗車前に刻印機でスタンプを押すことが必須。乗り忘れると無効扱いとなる場合がある。
運賃目安: 片道€6程度(約980円)
月〜土曜(祝日除く)は約1時間に1本程度の運行。日曜・祝日は列車が運休しFAL代替バスに切り替わるため、移動日の確認が必須。FAL公式サイトで最新時刻表を確認してから乗車計画を立てること。
シャトルバス(マテーラ中央駅〜サッシ地区)
ミッコリス社が運行するシャトルバスが中央駅とサッシ地区主要スポットを結んでいる。駅前の乗り場からサッシ地区の中心部へ、夏季は深夜まで運行。車内または乗車前に料金を支払う。
運賃目安: €1前後(約160円)
荷物が多い場合や坂道を避けたい場合に便利。夏季は30分間隔で運行するが、時期によりダイヤが変更されるため乗り場の掲示板を確認すること。
タクシー
マテーラ中央駅前にタクシー乗り場がある。電話予約またはIT Taxi・FREE NOWアプリでの呼び出しも可能だが、地方都市のため流しのタクシーはほとんどいない。宿泊施設のスタッフに手配を依頼するのが確実。
運賃目安: バーリ市内〜マテーラ(約90km)は€80〜110程度(約13,000〜18,000円)。マテーラ市内の短距離移動は€8〜15程度(約1,300〜2,500円)。
サッシ地区内の細い路地にはタクシーが入れない箇所が多く、旧市街の中心部への移動は徒歩またはシャトルバスとの組み合わせが必要になる。イタリアではUberはBlack(ハイヤー)など高級サービスのみ展開されており、UberXのような安価なサービスは利用できない。
現地での注意事項
急坂・石畳での転倒に注意
サッシ地区は急勾配の石畳と不規則な段差が至る所にあり、雨の日や夜間は非常に滑りやすくなる。懐中電灯またはスマートフォンのライト機能があると夜の路地歩きで役立つ。
夏季の熱中症リスク
7〜8月は最高気温30℃を超え、石灰岩の白壁からの照り返しで体感温度がさらに上昇する。日陰の少ないエリアを長時間歩く際はこまめな水分補給と帽子・日焼け止めの着用を怠らないこと。
日曜・祝日のFAL線運休
バーリからマテーラへの私鉄アプロ・ルカーネ(FAL)線は日曜・祝日に列車が運休し、代替バスに切り替わる。運行本数が減るため、移動日には必ず前日までに時刻表を確認すること。
サッシ地区への車両乗り入れ制限
サッシ地区内の多くの路地は一般車両の乗り入れが制限されている。レンタカーで訪れた場合は周辺の指定駐車場(市街地外縁部)を利用し、徒歩またはシャトルバスで移動すること。
観光シーズン中のスリ・置き引き
7〜8月や連休時は観光客が集中し、人混みでのスリ・置き引きの被害が報告されている。貴重品は分散して管理し、バッグは体の前側で携帯することを心がける。
周辺スポット
アルベロベッロ(トゥルッリ)
マテーラから車・バスで約1時間〜1時間30分(約70km)
円錐形の石積み屋根「トゥルッリ」が1,500軒以上密集するプーリア州の世界遺産の村。マテーラと並ぶ南イタリア世界遺産の双璧で、日帰りまたは宿泊を組み合わせた2スポット巡りが人気。
行き方: 直通バス(Pugliairbus等)が運行。またはマテーラ〜バーリ(FAL線)でバーリへ移動後、FSE鉄道でアルベロベッロへ乗り換え(乗り継ぎ含む所要2時間30分〜3時間)。
運賃目安: 直通バス片道€8〜10程度(約1,300〜1,600円)
ピエトラペルトーザ
マテーラから車で約45km(約1時間)
断崖絶壁に張り付くように建つバジリカータ州の秘境の村。「イタリアで最も美しい村」に選ばれており、山岳地帯の空中ジップライン「ヴォロ・デッランジェロ(天使の飛行)」でも知られる。
行き方: 公共交通のアクセスが限定的なため、レンタカーまたは現地ツアー参加が現実的。
運賃目安: レンタカー利用の場合は燃料代のみ(€10〜15程度)。現地ツアーは€50〜80程度(約8,200〜13,000円)が目安。
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- ユーロ(EUR)
- 為替目安
- 1EUR ≈ 163円
- 物価水準
- 普通(イタリア北部比30〜50%安)
1EUR≈163円(2026年8月時点の目安。実際の為替レートは渡航前に確認を)
宿泊費の目安
- 予算宿
- 8,000〜12,000円/泊
- 中級ホテル
- 15,000〜25,000円/泊
サッシ地区の洞窟を改装した「グロッタホテル」は20,000〜60,000円/泊と別格。唯一無二の体験として人気が高く夏季は3か月前予約推奨。南イタリアの物価水準はイタリア北部より全体的に割安。
ライドシェア
× 利用不可UberはイタリアではBlack(ハイヤー)など高級サービスのみで、UberXは利用不可。マテーラではIT Taxi・FREE NOWが比較的使いやすいが、サッシ地区内の細い路地はタクシーが入れないエリアも多く、徒歩移動が前提となる。
インフラ
観光インフラは整備が進んでいるが、バーリからの鉄道(FAL線)は本数が少なく日曜運休あり。サッシ地区はWi-Fiスポットも増加。2019年欧州文化首都開催以降、観光設備の近代化が進んでいる。
言語の通用度
観光エリアの主要ホテル・レストランでは基本的な英語対応が可能。地元の小規模商店や路地の奥の飲食店ではイタリア語のみのことが多く、翻訳アプリがあると助かる場面がある。
日本語対応はほぼ期待できない。一部の観光案内所でパンフレットの日本語版が置かれる程度。翻訳アプリを常備することを強くおすすめする。
向いている旅行者レベル
中級者向け
年間訪問者数
約60万人(サッシ地区への年間訪問者推計。2019年欧州文化首都以降、バジリカータ州全体の観光客数が増加傾向)
混雑状況
- 平日
- 春・秋(4〜6月・9〜10月)の平日は比較的ゆったりと観光できる。夏季(7〜8月)は平日でも午前10時以降は混雑が増す。
- 休日
- 夏季週末は欧州各国からの観光客が集中し、旧市街の主要スポット付近は午前中から人波が途切れない。春・秋の週末は穏やかな混雑に収まる。
- ピーク時期
- 7〜8月が最繁忙期。早朝(日の出直後〜午前9時)か夕方(17時以降)に主要エリアを歩くと混雑を避けやすい。
更新ログ
- 2026-08-12初版公開