
ポタラ宮(ラサ)
Potala Palace, Lhasa
標高3,650mのラサ市内、マルポリの丘に聳える「雪山の宮殿」。7世紀にソンツェンガンポ王が建造し、歴代ダライ・ラマの居城として機能した13階建て・高さ115mの要塞型建築は1994年にユネスコ世界遺産に登録された。チベット仏教の聖地として世界中の巡礼者を惹きつける唯一無二の絶景だが、富士山頂と同等の高地ゆえ高山病への備えが必要で、外国人は入域許可証を事前取得しなければ入れない特別な目的地。
ひと目でわかる、このスポットの性格
人類建築の最高峰クラスの絶景だが、入域許可・高山病対策・インターネット規制など事前準備のハードルが高く旅慣れた人向け。準備を整えたうえで訪れれば感動は格別
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省 海外安全ホームページ(中国・チベット自治区)https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcinfectionspothazardinfo_009.html / 取得日: 2026-08-04(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
ラサが位置するチベット自治区について外務省は危険レベル1(十分注意してください)を発出しています(調査時点の情報)。過去に僧侶等によるデモが一部暴徒化し死傷者が出た事案があり、引き続き注意が呼びかけられています。渡航前に外務省海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報発出中(地域により異なる。最高レベルを代表値として採用。詳細は出典参照)(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2024T086.html)/外務省発表日: 2024-09-25(確認日: 2026-08-04)
7日間の旅の組み立て
ポタラ宮(ラサ)だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
ラサ(Lhasa)
ポタラ宮・ジョカン寺・ノルブリンカなどチベットの主要世界遺産がラサに集中している。市内に宿泊して複数日かけてゆっくり高度順応しながら観光するのが最も現実的。成都からのフライトが最も選択肢が多く、移動のしやすい拠点
モデルプラン(7日間)
成都(CTU)起点の7日間が王道。1日目:成都着・前泊→2日目:成都〜ラサへ飛行(午前着)・到着後は高度順応のためホテルで安静→3日目:ポタラ宮(予約必須)→バルコール・ジョカン寺→4日目:ノルブリンカ・チベット博物館など市内散策→5日目:周辺の寺院群(ガンデン寺・ドレプン寺など)へ日帰り→6日目:ラサ〜成都戻り(夕方着)→7日目:成都観光(ジャイアントパンダ繁育研究基地・錦里など)または帰国。余裕があればラサからシガツェ(タシルンポ寺)への1泊延泊も検討値だが、シガツェには追加入域許可(外国人旅行許可証)が別途必要。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 4月・5月・9月・10月(4〜5月と9〜10月は乾季・晴天が多く気温も穏やかで最も快適。6〜8月は雨季だが雨は主に夜間で日中は晴れ間も多い。12〜3月は寒冷だが空いており、この時期はポタラ宮の入場料が無料となる。)
持ち物チェックリスト
高山病対策薬(ダイアモックス等)と携帯用酸素缶
ラサの標高は約3,650mで富士山頂と同等。体力・年齢に関係なく誰でも発症しうるため、渡航前に内科医に相談のうえ予防薬を準備し、到着後1〜2日はゆっくり過ごして高度順応を行う
高SPFの日焼け止めとUV400対応サングラス
高地では大気が薄く紫外線が非常に強い。ラサの年間日照時間は3,000時間超で、肌へのダメージが大きいため念入りな紫外線対策が必要
防寒着(フリース・ウィンドブレーカー)
夏(6〜8月)でも夜間は10〜13℃まで下がる。冬季(12〜2月)は氷点下になるため厚手のダウンが必須。一日の気温差が大きく、重ね着で調整できる服装が鉄則
現金(人民元)
市内の一部商店や巡礼地周辺の露店では現金払いのみのことがある。WeChatペイは外国カードでも登録可能だが、念のため現金を手元に置いておくと安心
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
09:00
ポタラ宮見学(予約時間に合わせて入場)
入場者数制限があるため予約した時間帯に遅れず到着する。白宮(行政・居住区)と紅宮(宗教施設・霊廟)に分かれ、急な石段を上りながら1,000室超の空間を巡る。高地の石段は体力を消耗するため無理せず進む。見学の目安は約1〜2時間。
- 2
11:30
バルコール(八廓街)で昼食と街歩き
ジョカン寺を中心とした約1kmの環状巡礼路。チベット工芸品・タンカ(仏画)・香辛料の露店が並び、五体投地をしながら歩く巡礼者の姿が見られる。沿道のチベット料理レストランで昼食をとるのがおすすめ。
- 3
13:30
ジョカン寺(大昭寺)参拝
7世紀創建のチベット仏教総本山で、世界遺産の一部でもある。本堂最奥の黄金の釈迦牟尼像は必見。外国人の入場は所定の時間帯のみとなる場合があるため事前に確認を。
- 4
15:30
ノルブリンカ(羅布林卡)を散策
歴代ダライ・ラマの夏の離宮として使われた広大な庭園と宮殿群。世界遺産「ラサのポタラ宮歴史地区」の一部。ポタラ宮から西へ約3km、タクシーで約10分。
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からラサ・クンガ空港(LXA)への直行便はない。成都(CTU)経由が最短ルートで、日本〜成都が約4〜5時間、成都〜ラサが約2時間15分、乗り継ぎを含めた総移動時間の目安は12〜15時間程度。北京(PEK)経由は北京〜ラサが約4時間15分かかるため、トータル14〜18時間程度となる。重要事項として、外国人はチベット自治区への入域にチベット入域許可証(TTB許可証)が必要で、中国ビザとは別に認定旅行会社を通じて申請する(処理に15〜20日程度要する)。渡航が決まった段階ですみやかに手配を開始すること。
現地での行き方
ラサ・クンガ空港から市内まで約64km。空港シャトルバスが30元(約600円)で運行し、ポタラ宮広場付近まで所要約50〜60分。タクシーは200〜260元(約4,000〜5,200円)。ポタラ宮は市内中心部に位置し、バルコール広場からタクシーで約5〜10分(10〜15元程度)。市内路線バスも運行。配車アプリ「DiDi(滴滴出行)」もラサ市内で利用できる。
入場料の目安
200 CNY(目安 約4,000円) / 事前予約必須
繁忙期(5月1日〜10月31日)は200元(約4,000円)、閑散期(11月1日〜4月30日)は100元(約2,000円)。10月15日〜3月15日は入場無料だが事前予約は引き続き必要。外国人はパスポートによる実名予約が必須で、1日の入場者数は約2,300人に制限されている。繁忙期は数週間前から売り切れるため、WeChatミニプログラムまたは認定旅行会社経由で早めに手配のこと。料金は改定される場合があるため渡航前に最新情報をご確認ください。
最終確認日: 2026-08-04
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
空港シャトルバス(ラサ・クンガ空港〜市内)
到着ロビーを出たバス乗り場の窓口でチケットを購入し乗車。ポタラ宮広場付近の市内ターミナルまで運行。
運賃目安: 30元(約600円)
所要約50〜60分。05:00〜19:30ごろまで運行し、満席になり次第出発するケースが多い。
市内路線バス
ラサ市内の主要バス停から路線バスでポタラ宮周辺へアクセスできる。停留所表記は中国語・チベット語のみのため、地図アプリを活用して乗り降りする停留所を事前に確認すること。
運賃目安: 1〜2元(約20〜40円)
主要観光スポット間は路線バスでも繋がっているが、車内アナウンスは中国語・チベット語のみ。
タクシー
市内ではメーター制の流しのタクシーを拾えるほか、配車アプリ「DiDi(滴滴出行)」でも呼ぶことができる。空港からは到着ロビー前のタクシー乗り場を利用。
運賃目安: 市内近距離は10〜15元(約200〜300円)、空港〜市内は200〜260元(約4,000〜5,200円)が目安
乗車時は必ずメーター使用を確認すること。観光スポット周辺では割増交渉を試みるドライバーもいる。DiDiの利用にはWeChatアカウントと支払い方法の事前登録が必要で、外国カードも登録可能だが渡航前に設定を確認しておくと安心。
現地での注意事項
チベット入域許可証(TTB許可証)の事前取得が必須
外国人がチベット自治区に入るには中国ビザとは別にチベット入域許可証が必要。申請は認定旅行会社経由のみで、取得まで通常15〜20日かかる。ラサのみカバーする基本許可証のほか、エベレストベースキャンプやナムツォ湖などへはさらに追加許可が必要。渡航決定後すみやかに手配を始めること。
高山病に注意――到着後1〜2日は無理をしない
ラサの標高は約3,650m。到着直後から頭痛・息切れ・食欲不振が起きやすく、初日の無理な観光は症状を悪化させる。到着後は水分を多くとり、ゆっくり休息しながら高度順応することが大切。症状が重い場合は迷わず医療機関を受診する。
宗教的・政治的に敏感な地域であることを理解する
ラサはチベット仏教の聖地であり政治的にも繊細な問題を抱える地域。寺院内での撮影には許可が必要なケースが多く、ポタラ宮内も原則として撮影禁止エリアが広い。デモや集会への参加はもちろん、政治的な発言・行動を慎むこと。
インターネット規制(グレートファイアウォール)の影響
チベット自治区でもGoogle・LINE・Instagram・YouTube・WhatsApp等は使えない。VPNも規制されているため、渡航前にWeChatなど中国対応アプリへの連絡手段の切り替えと、オフラインマップのダウンロードを済ませておくこと。
ポタラ宮チケットは完全予約制・当日券なし
1日の入場者数は約2,300人に制限されており、当日のチケット購入は不可。繁忙期(7〜8月・国慶節の10月)は数週間前から売り切れることがある。WeChatミニプログラムまたは旅行会社経由で必ず事前に予約すること。
周辺スポット
ジョカン寺(大昭寺)
ポタラ宮から東へ約2km、タクシーで約5〜10分
7世紀創建のチベット仏教総本山。黄金の釈迦牟尼像を祀る本堂には世界中から巡礼者が集まり、境内では五体投地をする信者の姿が見られる。世界遺産「ラサのポタラ宮歴史地区」の一部を構成する。
行き方: タクシーで約5〜10分(10〜15元程度)、または市内バスで約15〜20分。
運賃目安: 入場料:外国人85元(約1,700円)程度。時期・時間帯により変動あり
バルコール(八廓街)
ジョカン寺に隣接
ジョカン寺を中心とした約1kmの環状巡礼路。チベット工芸品・タンカ(仏画)・香辛料の露店が並び、五体投地しながら歩く巡礼者の姿が見られる。早朝は特に神秘的な雰囲気に包まれる。
行き方: ジョカン寺と同じアクセス。ポタラ宮からタクシーで約5〜10分(10〜15元)。
運賃目安: 街歩き自体は無料
ノルブリンカ(羅布林卡)
ポタラ宮から西へ約3km、タクシーで約10分
歴代ダライ・ラマの夏の離宮として機能した広大な庭園と宮殿群。世界遺産「ラサのポタラ宮歴史地区」の一部で、チベット正月(ロサル)などの祝祭時には地元の人々で賑わう。
行き方: タクシーで約10分(10〜15元)。
運賃目安: 入場料:外国人60元(約1,200円)程度(季節により変動)
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- 人民元(元)(CNY)
- 為替目安
- 1CNY ≈ 20円
- 物価水準
- 普通〜やや高め(チベット観光は入域許可証・ガイド代が必須で基本コストが上がる)
1 CNY ≈ 20円(2026年8月時点の目安。渡航前に最新レートを確認のこと)
宿泊費の目安
- 予算宿
- 3,000〜6,000円/泊(ゲストハウス・ホステル)
- 中級ホテル
- 9,000〜20,000円/泊(中級ホテル)
繁忙期(7〜8月・国慶節)は大幅に値上がりする。外国人が宿泊できるホテルはチベット入域許可証の所持が条件のため、認定旅行会社経由での手配が確実
ライドシェア
○ 利用可DiDiはラサ市内でも利用可能。WeChatアカウントと支払い方法の登録が必要で、外国クレジットカードも登録できるが渡航前に設定を済ませておくと安心
インフラ
ラサ市内の主要観光エリアのインフラは整備されており、空港へのエクスプレスウェイも開通している。ただし中国のインターネット規制が適用され、表記は中国語・チベット語が中心
言語の通用度
英語の通用度は低い。認定旅行会社のガイドが英語対応するケースもあるが、一般の商店・飲食店では中国語または身振り手振りが中心。翻訳アプリ必携
日本語はほぼ通じない。ごく一部の旅行会社が日本語ガイドを手配できる場合があるが事前予約が必須。基本的に翻訳アプリと事前準備が頼りになる
向いている旅行者レベル
中〜上級者向け(入域許可・高山病対策・インターネット規制への対応など、旅の準備に手間がかかる)
年間訪問者数
ポタラ宮は1日の入場者数を約2,300人に制限しており、年間の入場者数は概算で40万〜60万人程度と推定される。チベット自治区全体には年間数百万人の国内外観光客が訪れる
混雑状況
- 平日
- 繁忙期(7〜8月)は平日でも予約が埋まりやすい。閑散期(12〜3月)は比較的空いている
- 休日
- 中国の大型連休(国慶節・春節)前後は外国人・国内観光客ともに集中し、チケットが数週間前に売り切れることがある
- ピーク時期
- 7〜8月と10月上旬(国慶節)が最繁忙。4〜5月・9〜10月初旬は気候が快適で予約も比較的取りやすい
更新ログ
- 2026-08-04初版公開
出典
- UNESCO World Heritage List – Historic Ensemble of the Potala Palace, Lhasa
- 外務省 海外安全ホームページ(中国)
- TibetTravel.org – Potala Palace Ticket Booking Guide
- TibetTravel.org – Airport Transfer in Lhasa
- TibetTravel.org – Lhasa Climate Chart & Monthly Temperature
- TibetDiscovery – Tibet Travel Permit Complete Guide
- SimVoyage – 天空の宮殿ポタラ宮完全ガイド