ナスカとパルパの地上絵
Lines and Geoglyphs of Nasca and Palpa
ペルー南部のナスカ台地に広がる巨大な地上絵群。ハチドリやサル、クモなどの動物や幾何学模様が数百メートル規模で描かれ、空からのみ全容を把握できる。紀元前100年〜紀元後800年頃にナスカ文化によって制作されたとされ、1994年にユネスコ世界遺産に登録。北約25kmにはパラカス文化が起源のパルパの地上絵も広がる。
ひと目でわかる、このスポットの性格
世界でここにしか存在しない圧巻の地上絵群で、ペルー旅行の最重要スポットの一つ。遊覧飛行からの眺めは唯一無二だが、乗り物酔い対策と信頼できるフライト会社選びが体験の質を左右する。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省 海外安全ホームページ(ペルー危険・スポット・広域情報) / 取得日: 2026-09-22(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
イカ州・ナスカ地域は、外務省の海外安全情報においてリマやクスコなどの主要観光地と同様にレベル1(十分注意)が適用されるエリアに含まれると判断しています。ただしペルーは地域によって危険レベルが異なり、国境地帯や一部山間部では高い警戒が必要です。渡航前に必ず外務省の海外安全ホームページ(anzen.mofa.go.jp)で最新情報をご確認ください。/参考: 外務省の国全体最新レベル情報=外務省: 危険情報発出中(地域により異なる。最高レベルを代表値として採用。詳細は出典参照)(https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2026T039.html)/外務省発表日: 2026-03-31(確認日: 2026-09-22)
7日間の旅の組み立て
ナスカとパルパの地上絵だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
リマ
国際線の玄関口であり、ナスカへの長距離バスが豊富に運行されている。クスコ・イカ・パラカスへのアクセスも良く、ペルー南部観光全体の拠点として最適。
モデルプラン(7日間)
1日目:リマ着・旧市街観光(サン・フランシスコ教会・カテドラル・ミラフローレス散策)。2日目:夜行バスまたは昼行バスでナスカへ移動。3日目:ナスカ着・早朝遊覧飛行・ミラドール・チャウチージャ墓地。4日目:イカへ移動・ワカチナ砂漠オアシスでバギー体験。5日目:リマへ戻りクスコ行き国内線に乗り継ぎ・クスコ高度順応。6日目:クスコ観光(サクサイワマン・クスコ大聖堂・アルマス広場)。7日目:マチュピチュ日帰り訪問後、帰国フライトへ。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 5月・6月・7月・8月・9月・10月(乾季(5〜10月)は雨がほとんどなく空気が澄んでいるため、遊覧飛行での視界が良好。風が穏やかな午前便を強く推奨。11〜4月は気温が高くなるが降水量は極めて少なく、1〜2月は若干の降雨リスクがある。)
持ち物チェックリスト
酔い止め薬
遊覧飛行は小型セスナ機で旋回を繰り返すため乗り物酔いが起きやすい。フライト1〜2時間前に服用し、朝食は軽めに済ませること。
日焼け止め(SPF50以上)
ナスカ台地は砂漠性気候で日差しが極めて強い。ミラドール見学や屋外移動の際には必須。帽子とサングラスも合わせて用意したい。
現金(ソル)
観光チケットや空港税は現金払いのみの場合が多く、ナスカ市街はカード非対応の店舗も多い。リマで必要額を両替しておくと安心。
薄手の上着・パーカー
昼間は30℃超えでも、乾季(5〜10月)の夜明けや夜は10℃前後まで冷え込む。体温調整できる一枚を携行すること。
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
06:30
ナスカ空港で遊覧飛行
早朝は風が穏やかで視界も良好。政府認可の航空会社の小型機に乗り込み、地上絵上空を約30〜40分遊覧する。ハチドリ・サル・コンドル・クモ・宇宙飛行士など代表的な図柄の上空を周回。集合はフライト30〜45分前。
- 2
09:00
ミラドール(展望台)見学
市街から約10km北のパン・アメリカン・ハイウェー沿いにある鉄製展望台。地上から木・手・トカゲなど一部の地上絵を間近に観察できる。タクシーで約15分。
- 3
11:00
チャウチージャ墓地
ナスカ市街から南約30kmの古代野外墓地。紀元200〜9世紀のナスカ・ワリ文化の遺跡で、乾燥した砂漠気候のおかげでミイラが良好な状態で保存されている。発掘状態のまま展示されており、当時の布製品や土器も見られる。
- 4
14:00
カンタジョーク水道橋
ナスカ文化が建設した地下水路(プキオス)システム。現在も農業用水として機能しており、砂漠の中に広がる緑が印象的。市街から約4km、タクシーで10分ほど。
日本からのアクセス
日本から現地まで
東京(成田・羽田)からロサンゼルス(LAX)またはヒューストン(IAH)などアメリカ経由でリマ(LIM)へ。乗り継ぎ込みの総移動時間は約24〜28時間が目安。リマからナスカへは長距離バスで約6〜7時間(450km)。夜行バスを活用すると翌朝にナスカ着が可能。
現地での行き方
ナスカ市街から地上絵のミラドール(展望台)まではタクシーで約15分(約10km)。遊覧飛行はナスカ空港(NZC)から出発し、フライト時間は約30〜40分。ホテルや公認旅行会社が手配したタクシーで移動するのが最も安全。
入場料の目安
47 PEN(目安 約2,200円) / 事前予約必須
地上絵エリアへのアクセスに観光チケット(Boleto Turístico)が必要で、目安は47ソル(約2,200円)。これとは別に遊覧飛行料金が1人当たり約85〜120米ドル(約12,000〜17,000円)、ナスカ空港税として約30ソル(約1,400円)が現地払いで必要です。遊覧飛行は人気のため事前予約を強く推奨します。料金は改定される場合があるため、予約前に各航空会社・ツアー会社の公式サイトでご確認ください。
最終確認日: 2026-09-22
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
長距離バス(リマ→ナスカ)
リマのバスターミナル(Javier Prado地区またはPlaza Norte)からCruz del Sur・Oltursa・Peru Hopなどが運行。乗車前にオンラインまたは窓口でチケットを購入。
運賃目安: 片道 約20〜40米ドル(約2,800〜5,800円)
所要約6〜7時間。夜行便を使うと翌朝ナスカ着で日程を節約できる。乗降時は荷物の管理を徹底すること。
コレクティーボ(乗合バン・ナスカ〜イカ間)
ナスカ市街の特定の乗り場に集まって出発する乗合バン。行先を運転手に告げて乗り込み、料金は車内で支払う。英語が通じないことが多いためスペイン語か地図アプリで行先を示すとよい。
運賃目安: 片道 約8〜15ソル(約370〜690円)
所要約2時間。荷物が多い場合や初めての利用には不向き。
タクシー
ナスカ市街ではアプリ配車は利用不可。ホテルや旅行会社に依頼してタクシーを手配するのが最も安全。街中のタクシーを利用する場合は必ず乗車前に行先と料金を交渉すること。
運賃目安: 市街〜ミラドール(片道):約20〜30ソル(約920〜1,380円)。市街〜チャウチージャ墓地(往復・待機時間込み):約60〜100ソル(約2,760〜4,600円)目安。
ナスカではUber・InDriverなどの配車アプリは対応していない。白タクや無認可タクシーも多いため、ホテルや公認旅行会社を通じた手配を強く推奨する。
現地での注意事項
遊覧飛行中の乗り物酔い
小型セスナ機が地上絵を両席の乗客に見せるため急旋回を繰り返す。酔いやすい方は必ず酔い止め薬をフライト1〜2時間前に服用し、朝食は軽めに。フライト前の飲酒は厳禁。
未認可航空会社への注意
ナスカの遊覧飛行市場には複数の業者が参入しており、過去に事故の記録もある。AeroCóndor・AeroParacasなど政府認可を受けた航空会社を選び、最安値業者には安易に申し込まないこと。
バスターミナル周辺のスリ・客引き
長距離バスのナスカ停留所や市街中心部では、荷物の置き引きや無認可ガイドの強引な勧誘が発生することがある。到着時は荷物から目を離さず、ホテルや信頼できる旅行会社が手配したタクシーを利用すること。
強い日差しと脱水
砂漠性気候で日差しが非常に強く、気温が30℃を超えることも多い。水分を常時携行し、帽子・日焼け止め・サングラスを必ず用意すること。
フライトの欠航・遅延リスク
強風や視界不良によりフライトがキャンセルされることがある。ペルー周遊ルートを組む場合はナスカに少なくとも1泊余裕を持たせ、翌日のリカバリープランも検討しておくこと。
周辺スポット
チャウチージャ墓地(Cementerio de Chauchilla)
約30km(ナスカ市街南)
紀元200〜900年頃のナスカ・ワリ文化の野外墓地。砂漠の乾燥した気候のおかげでミイラが良好な状態で保存されており、墓穴に安置されたまま見学できる。当時の布製品や土器も展示されている。
行き方: ナスカ市街からタクシーで約25〜30分。往復と待機時間を含めて交渉するのが一般的。
運賃目安: タクシー往復+待機 約60〜100ソル(約2,800〜4,600円)。入場料別途
パルパの地上絵
約25km(ナスカ市街北)
ナスカの地上絵より1,000年以上古いパラカス文化(紀元前400〜前200年頃)の地上絵群。「太陽の家族」「シャチ」などの図柄で知られ、丘の斜面に描かれているため地上からも一部が視認できる。
行き方: パン・アメリカン・ハイウェーをリマ方向へタクシーまたはバスで約30〜40分。
運賃目安: タクシー片道 約30〜50ソル(約1,400〜2,300円)目安
ワカチナ・オアシス(Huacachina)
約120km(イカ近郊)
砂丘に囲まれた天然のラグーン。砂丘バギーやサンドボーディングが楽しめるアドベンチャースポット。ナスカからイカ経由で立ち寄れる。
行き方: ナスカからコレクティーボまたは長距離バスでイカへ(約2時間)、そこからタクシーで約10分。
運賃目安: バギーツアー 約40〜60ソル(約1,800〜2,800円)目安
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- ペルー・ソル(PEN)
- 為替目安
- 1PEN ≈ 46円
- 物価水準
- 中〜やや安め
1ソル≒46円(2026年前半の目安)。食費や市内交通は日本より大幅に安い。遊覧飛行などアクティビティは米ドル建て表示が多く、観光チケットや空港税は現金払い必須のためリマで両替しておくと安心。
宿泊費の目安
- 予算宿
- 2,200〜4,000円/泊
- 中級ホテル
- 6,000〜11,000円/泊
ナスカ市街のホテルは15〜80米ドル程度が中心。リマやクスコに比べ全体的に安い。繁忙期(7〜8月)は早めの予約を推奨。
ライドシェア
× 利用不可ナスカ市街ではUber・InDriverなどの配車アプリは利用不可。リマ・クスコ・アレキパではUberやInDriverが稼働している。ナスカ滞在中はホテルや旅行会社経由でタクシーを手配すること。
インフラ
基本的なインフラは整っているが、ナスカはペルーの地方都市であり、WiFi環境やATMの数はリマより限られる。市街中心部には必要な施設が揃っており旅行者が大きく困ることは少ないが、SIMカードや現金はリマで準備しておくのが無難。
言語の通用度
主要なツアー会社や観光客向けホテルでは英語が通じるが、一般の商店やタクシーではスペイン語のみのことが多い。翻訳アプリを活用することを推奨。
日本語対応はほぼ期待できない。日本語対応の旅行会社(リマのJTB現地支店など)と事前に手配するか、英語・スペイン語での対応が必要。
向いている旅行者レベル
中級者向け。リマからの長距離バス移動・遊覧飛行の事前手配・スペイン語環境での行動が必要。ツアー利用なら海外旅行初心者でも安心して楽しめる。
年間訪問者数
ナスカ遺跡エリアへの年間訪問者数は約30〜50万人と推計。ペルー全体の国際観光客は年間約400万人前後。
混雑状況
- 平日
- 平日は比較的空いており、遊覧飛行の席も取りやすい
- 休日
- 週末はフライトが埋まりやすいため早めの予約が必要
- ピーク時期
- 7〜8月(ペルーの乾季・欧米の夏休み)が最混雑。フライト・ホテルともに1〜2ヶ月前からの予約を推奨
更新ログ
- 2026-09-22初版公開