モスタル旧市街
Old Bridge Area of the Old City of Mostar
16世紀にオスマン帝国が建設し1993年の内戦で破壊された後、2004年に完全復元されたアーチ型石橋「スタリ・モスト(古橋)」を中心とする世界遺産の旧市街。エメラルドグリーンのネレトヴァ川と白い石灰岩の街並みが美しく、クロアチア周遊の延長として注目が高まっている。
ひと目でわかる、このスポットの性格
内戦で失われた橋の復元に民族和解の象徴を見る唯一無二の世界遺産。物価が安く少ない予算で深い旅ができ、クロアチア周遊への組み込みやすさも大きな魅力。
知名度穴場 ↔ 定番人気
旅の難易度初心者OK ↔ 旅慣れ向き
費用感リーズナブル ↔ 高め
アクセス行きやすい ↔ 遠い
周遊での楽しさ単独1日 ↔ 1週間周遊向き
※ スコアは訪問者数・アクセス所要時間・物価水準などの公開データをもとにした編集部の評価です。実際の体験は個人の旅慣れ度や訪問時期によって変わります。
レベル1:十分注意してください
出典: 外務省海外安全情報 / 取得日: 2026-09-29(外務省の危険情報レベル0〜4基準)
2025年2月更新(継続)の外務省情報では、ボスニア・ヘルツェゴビナ全土がレベル1(十分注意)とされています。本値はモスタル市を含むボスニア・ヘルツェゴビナ連邦全体として調べた結果です。国境周辺には地雷残存地域がありますが、モスタル旧市街は主要観光地であり通常の観光範囲では地雷リスクはほぼありません。危険レベルは変動する場合があるため、渡航前に必ず外務省海外安全ホームページで最新情報をご確認ください。
7日間の旅の組み立て
モスタル旧市街だけで1週間の旅は完結しません。ここを軸に、周辺をどう組み合わせて7日間のプランに仕立てるかが計画の要です。
拠点の街
モスタル
旧市街に徒歩でアクセスできる範囲にゲストハウスや小規模ホテルが集中。近郊のブラガイ・ポチテリへのデイトリップ起点としても最適で1〜2泊の滞在が推奨される
モデルプラン(7日間)
1〜2日目:ドゥブロヴニク(クロアチア)旧市街観光とアドリア海散策。3日目:ドゥブロヴニクからバスでモスタルへ移動(約3〜3.5時間)、スタリ・モスト周辺散策と旧市街バザール。4日目:ブラガイ・テッケとポチテリへデイトリップ(午前ブラガイ・午後ポチテリ)。5日目:モスタルからバスでサラエボへ移動(約2〜2.5時間)、バシュチャルシヤ(大バザール)と旧市街散策。6日目:サラエボの戦争歴史博物館・国立博物館・スナイパー通りを巡り内戦の歴史を学ぶ。7日目:サラエボ国際空港(SJJ)から帰路(イスタンブールまたはウィーン乗り継ぎ)。
月別の気温・降水量
ベストシーズン: 5月・6月・9月(5〜6月は気温が穏やか(最高24〜28℃)で観光客も多すぎず快適。9月はピーク後で晴天が続き散策に最適。7〜8月は最高31℃前後と暑く欧州観光客が集中する。11月〜2月は月間降水量が120〜190mmと多く旅行には不向き。)
持ち物チェックリスト
グリップの効くゴム底シューズ
スタリ・モストの橋面は磨かれた石灰岩で、濡れると非常に滑りやすくなる。ヒールや靴底がつるつるの靴は転倒の危険があるため、スニーカーやトレッキングシューズが必須
日差し対策グッズ(サングラス・帽子・日焼け止め)
7〜8月の夏季は最高31℃を超え、川面からの照り返しも強い。長時間の屋外観光になるため熱中症・日焼け対策は欠かせない
軽量の折りたたみ防水ジャケット
秋〜冬〜春は雨量が多く(10〜3月は月90mm以上)、突然のスコールに備えてコンパクトに収納できる防水ジャケットがあると安心
訪問先タイプ別の詳しい持ち物は世界遺産旅行の持ち物チェックリストでも整理しています。
モデルコース
- 1
09:00
スタリ・モスト(古橋)早朝散策
観光客が少ない早朝に石橋へ。橋の上からネレトヴァ川の全景を撮影し、川沿いの石畳を歩いてオスマン建築の旧市街を探索する。橋の全景写真は橋から少し上流・下流の展望ポイントが最適
- 2
10:30
バザール「クジュンジルック」とコスキ・メフメド・パシャ・モスク
旧市街のバザールで銅細工・絨毯・陶器などの土産物を見ながら散策。コスキ・メフメド・パシャ・モスクのミナレットへ登ると(入場10KM/約830円)旧市街と橋の全景が一望できる
- 3
12:30
川沿いのテラスでボスニア料理のランチ
スタリ・モスト直下の川沿いに並ぶレストランで地元料理を楽しむ。チェヴァピ(ミンチ肉のソーセージ)やブレク(チーズ・ミート入りパイ)が名物。食事代の目安は1人15〜25KM(約1,250〜2,100円)
- 4
14:00
旧橋博物館見学&橋ダイブ鑑賞
旧橋博物館(入場8KM/約650円)で橋の歴史・内戦による破壊・復元の軌跡を学ぶ。夏季(主に7〜8月)は地元のダイビングクラブが橋の中央から川面(約24m下)へ飛び込むパフォーマンスを鑑賞できる。チップ20〜30KM(約1,650〜2,500円)が慣例
- 5
15:30
西岸エリア散策と戦争の痕跡を巡る
橋を渡った西岸のルカビツァ広場や戦争博物館を巡る。内戦の痕跡を今に伝える壁の弾痕や記念碑が残り、橋の復元に込められた民族和解のメッセージを実感できる
日本からのアクセス
日本から現地まで
日本からの直行便はなく、ターキッシュエアラインズ利用でイスタンブール経由、またはオーストリア航空でウィーン経由にてサラエボ国際空港(SJJ)へ。羽田・成田からサラエボまでの目安は乗り継ぎを含めて約18〜22時間。サラエボからモスタルへは長距離バスで約2〜2.5時間(片道15〜20KM/約1,250〜1,650円)。
現地での行き方
旧市街はコンパクトで主要スポットは徒歩圏内。市内移動はタクシーが中心で、旧市街周辺や市バスターミナル前で乗車できる。UberやBoltはボスニア・ヘルツェゴビナでは使用不可で、Moj Taxiアプリかホテル経由で呼ぶのが確実。サラエボからのバスはモスタルバスターミナル発着で、旧市街へは徒歩約15分。
入場料の目安
0 KM(目安 約0円) / 事前予約不要
スタリ・モスト橋の歩行は無料。周辺の有料スポットとして旧橋博物館が8KM(約650円)、コスキ・メフメド・パシャ・モスク(ミナレット含む)が10KM(約830円)、旧ハンマムが5KM(約420円)。料金は改定される場合があるため、訪問前に現地で最新情報をご確認ください。
最終確認日: 2026-09-29
入場料・運賃・所要時間は、各運営者の公式発表と現地相場をもとにした目安です。改定されることがあるため、予約前に公式サイトで最新の料金をご確認ください。
現地での移動手段
公共交通機関
長距離バス(サラエボ→モスタル)
サラエボ市内バスターミナルまたは東バスターミナルから1日複数便が運行。チケットはターミナル窓口で購入。所要約2〜2.5時間でモスタルバスターミナルに到着し、旧市街へは徒歩約15分
運賃目安: 15〜20KM(約1,250〜1,650円)
夏季(7〜8月)は混雑するため前日購入が安心。時刻表は変更になる場合があるため出発前に現地で確認してください
長距離バス(ドゥブロヴニク→モスタル)
ドゥブロヴニク・バスターミナルから直通バスが1日1〜2便。クロアチアからボスニアへの国境越えがあるためパスポートを手元に準備すること。所要約3〜3.5時間
運賃目安: 15〜25ユーロ(約2,500〜4,100円)
国境検問で停車するため時間に余裕を持って計画してください
タクシー
旧市街周辺や市バスターミナル前で流しのタクシーを拾えるほか、滞在ホテルのフロントに依頼すると確実。
運賃目安: 初乗り約2KM(約170円)+2KM/km(約170円/km)。旧市街〜モスタルバスターミナル間は5〜8KM(約420〜650円)の目安
Uber・BoltはBosniaでは利用不可。流しのタクシーはメーターを使わずに高額を請求するケースがあるため乗車前に料金を確認するか、Moj Taxiアプリを活用してください
現地での注意事項
郊外の地雷残存地域に立ち入らない
ボスニア・ヘルツェゴビナには内戦時代の地雷が郊外の一部に残存しています。モスタル市街地や整備された観光地では問題ありませんが、郊外の未整備な森林や農地への立ち入りは避け、整備されたルート・道路上のみを歩いてください
スリ・置き引きに注意
旧市街のバザールやスタリ・モスト周辺は夏季に多くの観光客が集まり、スリや置き引きの被害が報告されています。貴重品はフロントポーチに入れ、リュックサックは前側で抱えるなど基本的な対策を徹底してください
橋の石畳は雨天時に極めて滑りやすい
スタリ・モストの橋面は磨かれた石灰岩で、雨や朝露で非常に滑りやすくなります。ヒールや靴底が平滑な靴での渡橋は転倒の危険があるため、必ずグリップ力のあるゴム底の靴を着用してください
現金社会であることを念頭に準備する
旧市街の小規模な飲食店・土産物店の多くは現金(KM/兌換マルク)のみ対応です。市内ATMの台数は限られているため、サラエボやドゥブロヴニクで十分な現金を用意してから訪れることをおすすめします
周辺スポット
ブラガイ・テッケ(スーフィー教修道院)
モスタルから南東へ約13km
岩山の断崖下から清冷な泉が湧き出すブナ川源流に建つ15世紀のオスマン様式の修道院。エメラルドグリーンの水面に映える白壁の建物はモスタル近郊随一の絶景スポットで写真映えとして人気が高い
行き方: モスタルからタクシーで約20分。またはモスタルバスターミナルから路線バスが1日数本(約25〜30分)
運賃目安: タクシー片道15〜25KM(約1,250〜2,100円)、バス約5KM(約420円)
ポチテリ
モスタルから南へ約25km
オスマン帝国時代(15〜17世紀)に築かれた要塞都市の廃墟。急峻な岩山の城壁・モスク・時計塔が当時のまま残り、ネレトヴァ川沿いの静かな村とともに独特の歴史的風景を形成する
行き方: モスタルからドゥブロヴニク方面行きのバスに乗り「ポチテリ」で下車。所要約30分
運賃目安: バス約5KM(約420円)
旅の手配
行くと決めたら、現地での動き方に合わせて早めに済ませておきたい手配をまとめました。
通信・eSIM
現地用のeSIMはアプリだけで完結し、到着後すぐ使えます。出発前に準備しておくのがおすすめです。
トリファ(trifa)で見る※対応機種・料金プランは変わる場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
海外旅行保険(エポスカード)
年会費無料で海外旅行保険が自動付帯するクレジットカード。医療費が高額になりやすい国もあるため、短期の旅行でも補償の確認をおすすめします。
エポスカードで見る※補償内容・付帯条件は改定される場合があります。最新は公式サイトでご確認ください。
旅の実務データ
現地で困らないための判断材料をまとめました。
通貨・物価
- 通貨
- 兌換マルク(BAM)
- 為替目安
- 1BAM ≈ 83円
- 物価水準
- リーズナブル
1KM(BAM)≈83円が目安(2026年時点概算)。EU未加盟のため物価は西欧の半額以下。食事1回500〜900円、コーヒー80〜150円が相場
宿泊費の目安
- 予算宿
- 2,500〜5,000円/泊
- 中級ホテル
- 8,000〜15,000円/泊
旧市街周辺にゲストハウスや家族経営ブティックホテルが多く、立地の良い宿でも比較的リーズナブル。夏季はドゥブロヴニクからの日帰り客が多いため宿泊予約は早めに
ライドシェア
○ 利用可UberやBoltはBosniaで利用不可。Moj Taxiアプリが代替手段として利用できるが、旧市街内はほぼ徒歩で移動できる範囲
インフラ
観光エリアの主要ホテル・カフェではWi-Fiが概ね安定。ATMは旧市街周辺に数台あるが台数は限られる。郊外の道路は未整備な箇所もある。電力・水道など基本インフラは問題なし
言語の通用度
観光エリアの飲食店・宿泊施設では英語が概ね通じる。一般市民や郊外では通じないことも多い
日本語対応はほぼ皆無。スマートフォンのカメラ翻訳対応の翻訳アプリを必ず準備してください
向いている旅行者レベル
海外旅行の経験がある中級者向け。英語が限定的な環境への対応力と事前の交通・宿泊リサーチが求められる。バルカン半島の歴史・文化に関心の高い旅行者に特に向いている
年間訪問者数
約100〜150万人(推計)
混雑状況
- 平日
- 比較的空いており旧市街をゆっくり散策できる
- 休日
- 欧米からの観光客やクロアチアからの日帰り旅行者が増え、橋周辺が混雑する
- ピーク時期
- 7〜8月が最混雑。特に正午〜17時はスタリ・モスト橋上が観光客で密集し写真撮影スペースの確保が難しくなる
更新ログ
- 2026-09-29初版公開
出典
- スタリ・モスト - Wikipedia(日本語版)
- Mostar climate: Weather Mostar & temperature by month - climate-data.org
- Old Bridge Mostar Tickets 2026: Visitor Guide & Tips - tourismattractions.net
- Bosnia and Herzegovina Travel Advisory - U.S. Department of State
- 外務省海外安全情報(危険情報)ボスニア・ヘルツェゴビナ 2025年版 - 阪急交通社掲載
- Taxi in Mostar (2026): fares and apps - taxibih.com